Last Love2
「オートメイルか・・・それもいいけど。」

は動かない左手を見つけた。

「俺は、俺の体で居たいから。」

微笑む理由がわからなかった。
仕事に支障は出ないの?
アナタは・・その怪我のせいで居なくならない?



Last Love



「左手が動かない!?」
「うん、なんか神経やられたみたいで。」
「・・・・・・ったく。」
「ジャンが困ることじゃないよ。」
「そうだよ!お前が一番心配しろよ!」
「ジャン、血圧上がるよ。」

俺は左手を見た。
動かそうとするものの、動くはずはなく、ただ脳みそが電波を送るのみだった。

「お前はいつだってそうだよな。」
「いや、ジャンの隣に居る時だけだよ。」
「俺が居ないときは取り乱すわけ?」
「乱しまくり。彼女が居なくなったときも―」
「・・・・・・・早く忘れろよ。」
「忘れないよ。」

空は晴れ晴れとしていて、太陽はカラ元気だった。
優しく吹く風は俺の赤い髪で遊んだ。

「・・・・大佐だ。」
「あれ?」
「ああ。」
「女の人・・・」
「またか・・・。」

俺はジャンの溜息に微笑んだ。
なんだか、ジャンが苦労する種が増えたみたいだった。

「ねぇ、ジャン。」
「あぁ?」
「大佐っていい人?」
「ああ。」

ジャンが煙草の煙で円を作った。
俺はその円が消えるのをみた。

「俺、ここに来てよかった。」
「何言ってんだ?」
「あっちだったら、俺きっと笑えなかった。」
「・・・ようこそ。」
「え?」
「ようこそ、東方司令部へ。」

ジャンが俺の隣でそんな言葉を言った。
俺は微笑みながら「うん。」と頷いた。

昔みたいに笑えるだろうか?
昔みたいに元気でやれるだろうか?

「ジャンと居たら故郷思い出した。」
「俺も、あんたと居たら懐かしいぜ。」
「覚えてる?俺のじいさんがジャンに煙草の味を覚えさせた日。」
「あぁ、あん時から俺は好きだった。」
「俺は煙草をおいしいとは思えなかった。煙草を吸えるジャンがカッコよかった。」
「・・・・・・じいさんに会いてぇな。」
「会えばいいよ。いつか。」

いつか。
よくもこんな無責任がいえたことだ。
じいさんはいつ死ぬかわからないのに。

「故郷か・・・帰りたいな。」
「帰ろう。一緒に。んで、また昔みたいに遊ぼうぜ。」

目を閉じればスグに思い出せる。

「あの川さ・・・つぶれてねぇよな?」
「あぁ、じいさんによると、住民の暴動があってつぶれなかったみたいだぜ?」
「はっはっは、流石。強いな。」
「頑固って言うか。」

クスクスと笑う。
こんな日が続けばいいと思う。
親友よ、永遠に。
なんて・・・思ったりもする。

「じゃ、東方司令部に案内してよ。」
「・・・・おう。」

俺はあの後、病院に行って、
ジャンは犯人を司令部に置いて、わざわざ病院まで足を運んでくれたのだ。

「親友、いつまでも親友でいてくれ。」
「あぁ、あんたもな。」


世界が終わったら。
俺はまず、コイツに感謝しよう。



Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!